「声を狩る2013」出演者プロフィール/コメント


佐々木 敦

1964 年生まれ。批評家。HEADZ主宰。「エクス・ポ」編集発行人。『批評時空間』『未知との遭遇』『即興の解体/懐胎』『「批評」とは何か?』『ニッポンの 思想』『小説家の饒舌』『絶対安全文芸批評』『文学拡張マニュアル』『テクノイズ・マテリアリズム』『ゴダール・レッスン』など著書多数。2013年度よ り早稲田大学文学学術院教授。

「はじめて会ったとき、それはインタビューの席だったが、僕はこう言った。
古川さんの小説を、そこに書かれた文字を読んでいると、声が聴こえてくる、そんな気がする、と。
だが、実は反対のことも言える。古川さんの朗読を聴いていると、言葉が見える気がする。
僕たちは何度か話した。何度も話した。そのたびに古川日出男の、小説家の、今まさに書きつつある言葉が、何もない真白な空間に書きつけられていく文字が、文字通りに、目の前に見えるような気がする。
そしてその文字たちからは、やはり声が聴こえてくるのだ。
その声は、古川日出男の声に似ているが、どこか違うようでもある。
彼にとって、だから執筆と朗読は、同じことであり、そしてそれだけではない。
僕はこれからも、彼の言葉を、彼の小説を、彼のものだけではない何かを、読み/聴き続けることだろう。」
http://www.faderbyheadz.com/

小島ケイタニーラブ
1980 年生まれ。2009年、ロックバンドANIMAとしてWEATHER/HEADZよりデビュー。2010年、古川日出男、蓮沼執太、近藤恵介、鈴木雄介と ユニットthe coffee groupを結成、『ワンコインからワンドリップ』をリリース。2011年にはROVO益子樹プロデュースによるANIMAの2nd album『シャガール』をリリース。12年10月、初のソロ・アルバム『小島敬太』をリリース(WEATHER/HEADZ)。古川日出男率いる、朗読 劇『銀河鉄道の夜』では音楽を担当。

「ヒデオブジェクトケイタニーラブというユニットを古川さんと結成したのが2009年。その初ライブのために購入した英文タイプライターは、この3年と少しの間、音響機材として僕の活動を支えてくれました。
ハンマーを打ち付けて一音一音アルファベットを刻むタイプライターの姿は、マイクに魂を刻んでいく古川さんの朗読を見ているかのようです。そんなことを想像するたびに僕も背筋がピンと伸びるような気がして、「目の前のマイクにしっかりと向き合おう」と思うのでした。
出会って以来、古川さんには一方的に感動を刻み込まれてばかりですが、2月25日は僕からのカウンターパンチよろしくアルファベットを刻み返せたらいいな、と思ってます。古川さん、どうか喰らって下さい!!
furukawasan 15shuunen hontouni omedetou!」
http://www.keitaney.com/

矢野 優
1965年生まれ。文芸誌「新潮」編集長。

「初 対面の時、古川さんがジム・フィータスのシングル盤も含めた音源をほとんど持っていると知り、「負けた」と思った。「新潮」史上初の朗読CD『詩聖/詩 声』をともに作った。東日本大震災から数週間後、彼の故郷・福島にともに行き、浜通りの「無音」をともに聴いた。数多くの素晴らしい小説を書いてもらっ た。つまり、古川さんは戦友だ。」
http://www.shinchosha.co.jp/shincho


三浦直之(ロロ)

主 宰・三浦直之が触れてきた演劇や小説、映画、アニメや漫画などへの純粋なリスペクトから劇作欲求を生み出し、同時多発的に交錯する情報過多なストーリー を、さらに猥雑でハイスピードな演出で、まったく新しいさわやかな物語へと昇華させる作品が特徴的な若手演劇カンパニー。

「古川日出男さんは僕にとって本当に大切な作家さんです。

僕がまだ中学生だった頃、初めて古川さんの小説を読みました。
「アラビア夜の種族」です。泉中央の八文字屋書店で、

分厚いなーとおもいながら買って、そのまま寝ずに読みました。
次の日学校にいって、古川さんを読んだことない友だちを「信じられない」と罵倒しました。 それから、まるで自分が書いたものかのように友だちに勧めてまわりました。
僕の話し方はしばらく古川さんの書く文体みたいになってました。
まわりが銀杏ボーイズとか、ドラゴンアッシュとか、松本人志とかに影響をうけた話し方をする中で、僕は古川日出男さんに諸に影響をうけた喋り方になりました。 古川さんは、いつもまるごと書こうとしているから、打ちのめされる。
僕もいつかまるごと書けるかなー。
あとどれくらいがんばったらまるごと書けるかなー。
ロロを初めて四年くらいだっけか。まだまだだなー。古川さんは、デビュー15周年。

そうだ「谷中妄想ツァー⁉」を考えてたときに古川さんのLOVEを読み返したのだった。
猫の視点で街を眺める。

http://llo88oll.com/