過去公演

2018年9月29日(土)世田谷美術館パフォーマンス・シリーズ「トランス/エントランス」vol.16公演

9月29日(土)

※9月30日(日)の公演は台風のため中止となりました。

世田谷美術館エントランス・ホール

2011年以降7年にわたって、東北をはじめ全国20箇所で上演され、しなやかに変容を続けてきたこの朗読劇を、東京・世田谷美術館のパフォーマンス・シリーズ「トランス/エントランス」にて上演します。昨年2017年末の八戸公演、今年1月の南相馬公演のために新たに書きおろした脚本で、4年ぶりの東京、晩夏の公園、その一隅にある世田谷美術館から、新たに「銀河鉄道」を発車します。ぜひご乗車ください。

***

あなたが宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を知っていようが知っていまいが、原作の『銀河鉄道の夜』を読んでいようが読んでいまいが、それは、どうでもいいのです。なぜならば、この朗読劇は、宮沢賢治のそれを「生まれ変わらせて」「そこに出現させる」ものだから。2011年12月に出発して、全国のほんとうに各地を回ってきた朗読劇だから、まるで空間を移動しつづけたように思えるけれども、それだけではないのです。

2011年12月に出発して、時には息もたえだえになりながら走りつづけて、もう2018年9月になるのですから、時間も移動してきたのです。むしろ7年間という時間を(空間ともども!)貯めてきたのです。宮沢賢治の描いた「銀河鉄道」には、その沿線にプリオシン海岸なるものがあって、その波打ち際に、レールを敷ければと願っています。鉄道線路を、その渚に、夜の美術館のために。銀河鉄道の夜の、美術館のために。〈入口〉に。

――古川日出男

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 写真:朝岡英輔

出演

古川日出男・管啓次郎・小島ケイタニーラブ・柴田元幸

制作

音響:川島寛人、北田啓(RIME株式会社)
照明:富山貴之
舞台監督:湯山千景
宣伝美術:椚田透(nix graphics)
記録写真:朝岡英輔
記録映像:河合宏樹
広報:浦谷晃代
制作補助:関戸詳子
制作・主催:世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)
運営:NPO法人アートネットワークジャパン

2018年1月20日(土)朗読劇「銀河鉄道の夜」南相馬公演

1月20日(土)
福島・南相馬市民文化会館多目的ホール

南相馬での上演が決まりました。台本を全面改稿、挿入詩、音楽も一新し、誰もみたことがない銀河鉄道の時空が南相馬の土地に開きます。この特別な夜にぜひご乗車ください!

ある時、バスに乗ってみてください。そして、おもむろに周囲を見回してみてください。窓の外に目を向けることはよくあることかもしれないけれど、車内を眺めてください。すると、知らない人がいっぱい乗っています。そして、知っている人も乗っています。友達の顔も、一人、見つけます。でも、何かがおかしいのです。あなたは「何がおかしいのだろう?」と考えます。その友達とは、ここで会えるはずがないのに、同じバスに乗っている。その友達は、本当に本当に、遠いところに行ってしまっていて……。『銀河鉄道の夜』とは、そんな物語です。さて、いま南相馬にいるあなたは、死者たちと同じ列車に乗り合わせてしまったら、何を考えますか? ―――古川日出男

出演

古川日出男、管啓次郎、小島ケイタニーラブ、柴田元幸

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写真:朝岡英輔

主催

ゆめはっと事業サポーター・公益財団法人南相馬市文化振興事業団

2017年12月16日(土)朗読劇「銀河鉄道の夜」八戸公演

12月16日(土)
青森・八戸文化教養センター 南部会館

銀河鉄道は八戸にも線路を延ばします。八戸でジョバンニを乗せるために。八戸のジョバンニを乗せるために。これまでで最も北へと走り出す銀河鉄道にぜひご乗車ください。

こんなふうに考えてもらいたいのです。もしも、あなたが列車に乗っていて、そこに親友やら見ず知らずの人やらが何人も同乗していて、その彼らが、みな、死んでしまっていると気づいたら、あなたはどんなふうに声をかけるか、と。

そして、そう考える時に、あなたの名前はジョバンニとなります。あなたは、八戸にいるジョバンニです。「銀河鉄道の夜」の主人公です。———古川日出男

出演

古川日出男、管啓次郎、小島ケイタニーラブ、柴田元幸

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image1写真:朝岡英輔

主催

八戸ブックセンター

2016年7月16日(金)朗読劇「銀河ロックンロール鉄道の夜」

7月16日(金)
KESEN ROCK FESTIVAL’16会場(岩手県・種山ヶ原高原)
宮澤賢治が愛し、「銀河鉄道の夜」の舞台ともいわれる種山ヶ原にて開催されるKESEN ROCK FESTIVAL’16 の<夜の部>にて、朗読劇「銀河鉄道の夜」の上演が決まりました。2年ぶりとなる公演には、スペシャルゲストとして Gotchさん(後藤正文/ ASIAN KUNG-FU GENERATION)が参加! 新たに書き下ろされたスペシャルヴァージョン「銀河ロックンロール鉄道の夜」をお届けします。
出演

古川日出男、管啓次郎、小島ケイタニーラブ、柴田元幸、Gotch(後藤正文/ ASIAN KUNG-FU GENERATION)

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2014年7月27日(日)静岡・クレマチスの丘 ヴァンジ彫刻庭園美術館公演

7月27日(日)
静岡・クレマチスの丘
東京公演から一週間、27日は静岡・クレマチスの丘、ヴァンジ彫刻庭園美術館のCANDLE NIGHT 2014にて、公演を行います。
ろうそくの灯る閉館後の美術館に広がる、幻想宇宙をお楽しみください。
出演

古川日出男、管啓次郎、小島ケイタニーラブ、柴田元幸

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2014年7月20日(日)朗読劇「銀河鉄道の夜」東京特別公演

7月20日(日)
明治大学アカデミーホール(お茶の水)
旅する「銀河鉄道」が東京にやってきた。7月20日、お茶の水。
空いちめんの星が降る。

2011 年3月11日のできごとをきっかけとして走り出した朗読劇『銀河鉄道の夜』。傷ついた土地「東北」への思いをこめて、ハルレヤの歌声が響きます。宮澤賢治 の不朽の名作『銀河鉄道の夜』を古川日出男が脚本化。小島ケイタニーラブによる主題歌と音楽、管啓次郎による劇中詩、柴田元幸による果敢なバイリンガル化 とともに、類例のないまったく新しい表現形式が生まれました。東北各地や西日本でのそれぞれの土地に即した公演の後、この規模の舞台はおそらく最初で最後 です。ぜひお誘い合わせの上、ごらんください。

出演

古川日出男(脚本)、管啓次郎(詩)、小島ケイタニーラブ(音楽と歌)、柴田元幸(翻訳)
河合宏樹、森重太陽(映像)

主催

明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻 + 朗読劇「銀河鉄道の夜」実行委員会

協力

勁草書房、朝日出版社、左右社、筑摩書房、SUNNY BOY BOOKSB&B、トビムシ

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2013年12月8日(日)、24日(火)朗読劇「銀河鉄道の夜」冬の公演

12月8日(日) 福島県・郡山市 安積歴史博物館
12月24日(火)東京 聖夜公演 SARAVAH東京
出演者コメント

安積歴史博物館には、その修復作業のさなかにあった2012年8月31日に入ったことがあります。ヘルメットを着用しての見学でした。あれから1年 と2カ月が経って、こうして博物館内で『銀河鉄道の夜』を上演できることの感慨の深さがあるのですが、それと同時に、29年を経過して「ここに戻ってき た」という感慨もあります。そこは、安積高校卒業生の僕にとって、“旧本館”だし、その木造の“旧本館”の講堂です。1年が戻り、29年が戻る。そして、 宮澤賢治の力を借りて、僕たちはあらゆる喪われたものたちを「戻ってくるものたち」として、ここに顕現させられたらと願っています。
古川日出男
………………………………………………………………………………

いよいよ郡山に行くのか。また新しい土地。でもぼくらの旅は、線路は、知った土地と知らない土地をつなぐことで続く。そのときその場で言葉を発する声はおなじ。
そのおなじ声がまったく別の響きとなって、土地と森と夜にこだまするだろう。
ほら、また見えるよ、新しい海岸が、高原が、空が。樹木が、動物たちが、岩石が。
愛はどこにあるの、と君は問うかもしれない。答えよう、呼び交す声が、愛だ。
あるいは響く歌だ。一緒に「ハルレヤ」を歌いましょう。
管啓次郎
………………………………………………………………………………

銀河鉄道に乗る一人の歌手として、いろんな街を旅しました。北上川のせせらぎ、大船渡の鳥たち、仁淀川の砂粒、酒蔵のコオロギ、心斎橋の小雨。そこでしか出会えない響きを連れて、列車は走り続けています。
安積歴史博物館。長い年月をかけて、ここに集った音たちはどんな響きをするのでしょうか。賢治の言葉と一緒に、眠っているたくさんの音を再び響かせるきっかけになれたら幸せです。
まあ、とにかく、銀河の旅は大変な移動距離なので、今はリラックスで! 耳をすまして、僕らと一緒に列車の揺れに身を任せましょう。車窓からはきっと見たことのない景色が見えるはずです。
小島ケイタニーラブ
………………………………………………………………………………

大勢の方々に支援していただいて、今回の公演が可能になりました。ありがとうございます。皆さんの好意に報いるよう、気合い入れて翻訳家を演じ、鳥を捕る人に入り、ラッコの上着になります。
柴田元幸


主催

朗読劇「銀河鉄道の夜」実行委員会

協力

勁草書房、朝日出版社、左右社、筑摩書房、SUNNY BOY BOOKS

スタッフ

音響:川島寛人(RIME株式会社)、北田啓
映像撮影:河合宏樹、新見知哉、森重太陽、渡邉有成(Pool Side Nagaya)
美術:サカタアキコ(Diet Chicken)

制作

宣伝美術:椚田透(nix graphics)
WEBデザイン:北村恵、青木友美
写真:朝岡英輔
制作・宣伝:浦谷晃代(Diet Chicken)
マネージャー:関戸詳子

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2013年5月25日(土)〜28日(火)朗読劇「銀河鉄道の夜」春の関西ツアー

5月25日(土) 京都 叡山電車

出発:出町柳駅の改札前

共催:叡山電鉄株式会社 企画:熊谷充紘(ignition gallery) 協力:ロマンチック叡電プロジェクト、night cruising

5月26日(日) 高知 土佐和紙工芸村 QRAUD くらうど

協力:池田葉子

高知県吾川郡いの町鹿敷1226

http://www.qraud-kochi.jp
Facebookイベントページ

5月28日(火)大阪 大丸心斎橋劇場

http://www.daimaru.co.jp/shinsaibashi/gekijou/
Facebookイベントページ

5月27日(月)朗読劇「銀河鉄道の夜」大阪公演 プレイベント

大阪 photo gallery Sai(フォトギャラリー・サイ)

協力:赤阪友昭(photo gallery Sai)
http://photo-sai.com

出演

古川日出男(脚本)、管啓次郎(詩)、小島ケイタニーラブ(音楽と歌)、柴田元幸(翻訳)

映像(高知・大阪公演):河合宏樹(Pool Side Nagaya)

主催

朗読劇「銀河鉄道の夜」実行委員会

共催

出版文化産業振興財団(JPIC)

協力

勁草書房、朝日出版社、左右社、筑摩書房、新潮社、河出書房新社

スタッフ

音響:川島寛人、北田啓(RIME株式会社)

映像撮影:河合宏樹、新見知哉、森重太陽(Pool Side Nagaya)

美術:サカタアキコ(Diet Chicken)

制作

ロード・マネージャー:関戸詳子

制作・宣伝:浦谷晃代(Diet Chicken)

宣伝美術:椚田透(nix graphics)

WEBデザイン:北村恵・青木友美

2013年3月11日(月)本・つながる・未来 vol.14
光のしずく流れる春の川
朗読劇『 銀河鉄道の夜 』

会場: Rainy day Bookstore & Cafe(東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F)

Rainy Day Bookstore & Cafe にて開催中の ” 本と読書、音楽を通じて想いを届ける ” プロジェクト「本・つながる・未来」。

RainyDayでの開催がこれで最後となる、第14回目。昨年3月11日の公演に続き、今年3月11日もこの場所から、朗読劇『銀河鉄道の夜』をお届けします。

あの震災から2年。この特別な夜のために、講演直前の東北を撮下ろした特別映像や音、オリジナルの詩や短編の朗読、あらたに書き直された脚本の朗読劇「銀河鉄道の夜」による、鎮魂のための夜となります。「朗読劇『銀河鉄道の夜』のために。」として、金子飛鳥のヴァイオリン、大口純一郎のピアノ、小池アミイゴの東北ドローイング「東日本」の上映も行います。

出演

古川日出男(脚本)

管啓次郎(詩)

小島ケイタニーラブ(音楽と歌)

柴田元幸(翻訳)

(映像・河合宏樹)

http://www.switch-pub.co.jp/rainyday/042131302.php

2013年3月2日(土)東京国際文芸フェスティバル

会場

SuperDeluxe

「銀河鉄道」撮影班・河合宏樹監督による特別映像上映と、朗読劇「銀河鉄道の夜」東京国際文芸フェスティバル特別版。

古川日出男オリジナル脚本、詩や音楽が彩る、まったく新しい「銀河鉄道の夜」の宇宙が広がる朗読劇

出演

古川日出男(脚本)

管啓次郎(詩)

小島ケイタニーラブ(音楽と歌)

柴田元幸(翻訳)

(映像・河合宏樹)

http://tokyolitfest.com/

2012年 12月24日(月) 朗読劇『銀河鉄道の夜』聖夜公演

12月24日(月)2回公演

昼の部 開場14:00/開演:15:00

夜の部 開場19:00/開演:20:00

第1部 宮澤賢治の詩とその他の作品の朗読

「永訣の朝」「雨ニモマケズ」など賢治の詩をはじめ、クリスマス特別編となる、さまざまな作品の朗読

第2部 朗読劇『銀河鉄道の夜』

古川日出男オリジナル脚本、詩や音楽が彩る、まったく新しい「銀河鉄道の夜」の宇宙が広がる朗読劇

出演

古川日出男(脚本)

管啓次郎(詩)

小島ケイタニーラブ(音楽と歌)

柴田元幸(翻訳)

会場

サラヴァ東京

主催

朗読劇「銀河鉄道の夜」実行委員会

協力

株式会社 朝日出版社、株式会社 勁草書房、左右社

運営組織

スタッフ:川島寛人(音響)

浦谷晃代(広報・宣伝)

河合宏樹、新見知哉(記録)

関戸詳子(ロード・マネージャー)

椚田透(nix graphics)(フライヤーデザイン)

北村恵(WEBデザイン)

2012年12月19日(水) 朗読劇「銀河鉄道の夜」プレイベント

始発列車の前にー「聖なる夜の前夜祭」

武蔵小山のブックカフェ HEIMAT CAFE(ハイマットカフェ) にて、プレイベントと銀河鉄道ブックフェアを開催。
出演陣の朗読やミニライブ、ツアーの映像上映などで聖夜公演をもりあげます。カフェのスペシャル限定メニューもお楽しみください。

12/19(水)開場19:40/開演20:00

出演者

古川日出男(脚本)

管啓次郎(詩)

小島ケイタニーラブ(音楽と歌)

柴田元幸(翻訳)

会場:HEIMAT CAFE

2012年 秋の東北ツアー

9月22日(土)岩手県・住田町:住田町農林会館 大ホール

9月23日(日)宮城県・南三陸町:ベイサイドアリーナ 文化交流ホール

9月24日(月)福島県・喜多方市:大和川酒蔵 北方風土館昭和蔵

第1部 詩と作品の朗読

宮澤賢治の詩をはじめとするさまざまな作品の朗読

『春と修羅』『雨ニモ負ケズ』など賢治の詩をはじめ、さまざまな作品の朗読します。

第2部 朗読劇『銀河鉄道の夜』

宮澤賢治原作に基づく古川日出男の脚本に、小島ケイタニーラブが音楽と歌で、

管啓次郎が書き下ろしの詩で参加し、賢治の宇宙にまったく新しい光を当てました

出演者

古川日出男(脚本)

管啓次郎(詩)

小島ケイタニーラブ(音楽と歌)

柴田元幸(翻訳)

出演者の言葉

この『銀河鉄道の夜』を携えて春に三つの土地を回った時、それぞれの場所ごとにステージがまるで印象を変えることに驚かされました。脚本はほぼ一文字も変更されていないのに、異なる“空気”が立ち上がりつづけたのです。それは、つまり、それぞれの土地には「そこにしかない無二の“空気”がある」のだということの証明だったし、化学反応だったと思います。だからこそ、僕たちはまた新しい三つの土地に向かいます。さらに複数の「銀河鉄道」が走ることを信じて。

古川日出男

心がぐるぐると独楽のように回転して、どこにも行か ない日々が続きました。

そんな日々に何十年も前に 賢治が記した言葉が、新しい音声に乗ってどこからか聞こえてきました。

人の死はそれぞれ「ひとり」のものであり、それを悼むのもひとりがひとりを悼むしかないこと。

とっさの行為に現われる勇気以上に尊敬すべきものは、たぶん人間の世界にはないこと。

文学の言葉は人を「ひとり」の世界に送り返します。

そこから勇気を得て、生きることに役立てる。

その先にある新しい社会を、みんなで考えましょう。

管啓次郎

再びこの汽車に乗り、旅に出られることをとても嬉しく思います。
春のツアーでは、朗読劇の主題歌「フォークダンス」を様々な場所で歌わせて頂きました。同じ歌なのに、その響き方はどれもまったく違って、一つ一つがかけがえない対話となって、胸に響いています。
今、僕は駅の待合室。ギターを抱え、うたた寝をしながら、この秋、車窓から見える景色はどんな色をしているのか、想像しています。

小島ケイタニーラブ

2012年3月11日にこの朗読劇を見て感激し、5月の東北ツアーに「前座でいいから連れてってください」と頼んだら、ありがたいことに出演者の一人にしてもらえました。鳥を捕る人にして翻訳家、という不思議な役柄を与えてもらったのです。3 人の作っていた宇宙を、どれだけ広げられたか心許ないですが、今回も、銀河空間に紛れ込んだ、できることなら好ましい、異物になるのを楽しみにしています。

柴田元幸

運営

主催者:明治大学理工学研究科 管啓次郎研究室

出版文化産業振興財団(JPIC)

読売新聞社

共催:住田町図書ボランティアグループ ま~ぶる

住田町教育委員会

福島県立博物館

協力:株式会社 朝日出版社

株式会社 勁草書房

左右社

運営組織

スタッフ:川島寛人(音響)

浦谷晃代(広報・宣伝)

河合宏樹、新見知哉(記録)

関戸詳子(ロード・マネージャー)

椚田透(nix graphics)(フライヤーデザイン)

北村恵(WEBデザイン)

2012年 春ツアー

5月19日(土) 岩手県・大船渡:大船渡リアスホール マルチスペース

5月20日(日) 宮城県・仙台:せんだいメディアテーク スタジオシアター

5月21日(月) 福島県・福島:福島市音楽堂 小ホール

出演者

古川日出男(脚本)

管啓次郎(詩)

小島ケイタニーラブ(音楽と歌)

柴田元幸(ゲスト出演)

小沼純一(ゲスト出演/仙台公演のみ)

出演者コメント

あの震災以降、僕はずっと声の力のことを考えています。
たとえば宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』は、主人公のジョバンニの耳に届いたふしぎな声から、あの宇宙の旅がはじまるのです。
「銀河ステーション、銀河ステーション」とアナウンスする声です。
同じその声に、僕たちも導かれてみようと思います。
その声にそなえられている力を信じて、僕たちも列車に乗ってみようと思うのです。
宮澤賢治は書いています

――「この汽車は、じっさい、どこまででも行きますぜ」

古川日出男

心がぐるぐると独楽のように回転して、どこにも行か ない日々が続きました。
そんな日々に何十年も前に 賢治が記した言葉が、新しい音声に乗ってどこからか聞こえてきました。
人の死はそれぞれ「ひとり」のものであり、それを悼むのもひとりがひとりを悼むしかないこと。
とっさの行為に現われる勇気以上に尊敬すべきものは、たぶん人間の世界にはないこと。
文学の言葉は人を「ひとり」の世界に送り返します。
そこから勇気を得て、生きることに役立てる。
その先にある新しい社会を、みんなで考えましょう。

管啓次郎

朗読劇「銀河鉄道の夜」音楽制作のため昨年、宮澤賢治の故郷・岩手県花巻に向かいました。
薄暗い空の下、北上川の水の音を録音しながら、ぼんやりとイギリス海岸を見つめているとき、遠くから聴こえてきた電車の音が銀河鉄道のイメージと重なり、音楽が完成しました。
もしかしたら賢治さんも同じ場所で耳を澄まし、銀河鉄道に乗り込んだのではないか……そんな気がしています。
朗読劇の当日は僕もそんな乗客の1人として、会場の皆さんと一緒に銀河鉄道の旅を楽しめたら、と思います。
窓の外、一秒一秒変わっていく景色たちに早く出会いたくて、今からうずうずしています。

小島ケイタニーラブ

運営

主催者:明治大学理工学研究科 管啓次郎研究室

運営組織:川島寛人(音響)、浦谷晃代(広報・宣伝)、関戸詳子(ロード・マネージャー)

各地実行委員:寺島さやか(大船渡)ほか

後援:大船渡市、岩手県教育委員会、仙台市

協力:株式会社朝日出版社、株式会社勁草書房、左右社、認定NPO法人国境なき子どもたち

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2012年3月11日(日)Rainy Day Bookstore & Cafe 本・つながる・未来 プロジェクト vol.8 レイニーデイ 新しい春のために

●開催のことば
東北を助けたい。それはつながる私たち自身を助けることです。
東北を助けたい。それは私たち自身の価値観を変えることです。
体験とはとても個人的なもの。
忘れることのないこの日に、魂の奥から何が沸き上がるのか。
2012年3月11日。Rainy Day Bookstore & Cafe に
それぞれの想いを秘めて 表現者たちが集います。
――金子飛鳥「本・つながる・未来」代表発起人

光が奪われた夜、ろうそくの炎のまわりに集い、声を交わす。
物語を、詩を交わす。
夜明けまでの不安な気持ちをやわらげ、小さなぬくもりを分かち合うために。
私たちが作ったこの朗読用作品のアンソロジーは、無力の自覚から始まりました。
でも無力だけがすくいとることのできる心の層があることも、事実です。
遠い土地を思い、文字が声になり光になる瞬間を見届けたい。
まったく新しい社会のあり方をめざして、この本を編みました。
ぜひ一緒に読んでください、声に出して。
――管啓次郎「ろうそくの炎がささやく言葉」・朗読劇「銀河鉄道の夜」出演

僕たちにできることは、それを忘れないことです。
僕たちにできることは、それを忘れず、言葉にし、歌い、奏で、描き出すことです。
そして、僕たちやあなたたちにできることは、
耳をすまし、体全体でそれを受け取ることでもあるのだと、僕は思います。
同じ場所にいて、耳をすませる。そして飛翔するための想像力をめいっぱい広げるのです。
――古川日出男 朗読劇「銀河鉄道の夜」出演

第1部 ろうそくの炎がささやく言葉
本・つながる・未来 ×『ろうそくの炎がささやく言葉』(管啓次郎・野崎歓編、勁草書房)特別企画第3回
朗読:工藤庸子 小沼純一 柴田元幸 管啓次郎
演奏:金子飛鳥 中島ノブユキ
キャンドル協力:カメヤマキャンドルハウス

第2部 朗読劇『銀河鉄道の夜』
脚本:古川日出男 
詩:管啓次郎
音楽・歌:小島ケイタニーラブ 
演奏:金子飛鳥

*「一本の線を描く」ワークショップ:小池アミイゴ

第3部 ドローイング
演奏:金子飛鳥 中島ノブユキ 
スケッチ:小池アミイゴ

会場:
Rainy day Bookstore & Cafe(東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F)

2011年 12月24日 朗読劇『銀河鉄道の夜』初演

東京都・渋谷 SARAVAH東京

出演:古川日出男、管啓次郎、小島ケイタニーラブ

古川日出男が賢治作品の真実をおそるべきパッションの炎であぶり出し、それを管啓次郎が悠然たる佇まいで受けとめる。そして小島ケイタニーラブの音楽がすべてを深く、やさしく包み込む。ぼくらが今、本当に必要としている賢治がここに誕生した!
(野崎歓、フランス文学者・東京大学教授)

言葉と音楽が心の堰を切り崩して涙がとまらなかった。こういう追悼の仕方があるのだと、はじめて知った。
(綾女欣伸、朝日出版社)

かつて串田孫一は宮澤賢治の詩の大きな原動力として「怒り」があるのではないかと述べたが、どうしようもない怒り、悲しさ、寂しさが、声という命の吹き込まれた言葉によって、いっそうの力をもって立ちあらわれる。このパフォーマンスは「演劇」にも「朗読」にも収斂していない。ことばと音楽の協働するあたらしいポエジーの空間が出現しているのだ。
(工藤晋、教員)