宮澤賢治の不朽の名作『銀河鉄道の夜』を小説家・古川日出男が朗読劇にしました

昨年3月11日の東日本 大震災と福島第一原発事故後の状況にあって、福島出身の小説家・古川日出男が新たに出会い直したのは宮澤賢治の詩と物語でした。岩手県花巻を基点として宇 宙を幻視する賢治への深い共振は、傷つけられた土地に住むすべての人々と動物たちにささげられた、小さいけれども強い祈りの声となりました。

朗読劇「銀河鉄道の夜」は、古川日出男によるオリジナル脚本と朗読に、詩人・エッセイストの管啓次郎が書き下ろしの詩、そして音楽家・ 小島ケイタニーラブが舞台音楽とオリジナル楽曲をもって参加します。3人の特異な個性のぶつかりあいから生まれた、まったく新しい「賢治」の世界です。

昨年12月24日、東京・渋谷のSaravah東京で初演。満員の観衆に大きな感銘を与えました。ついで本年3月11日、東京・表参道のRainy Day Books & Cafeにて改訂ヴァージョンを上演。

さらに変貌し進化するこの朗読劇を、2012年を通じて、東北各地で上演してゆきます。
第1回のツアーでは、3人に加えて、この企画に賛同した翻訳者・柴田元幸、詩人・小沼純一を特別ゲストに迎えた二部構成の公演で、5月に岩手県大船渡市、宮城県仙台市、福島県福島市をめぐります。
第2回は秋9月に岩手県住田町、ほかでの公演を企画中です。
中学生・高校生からはじまって、どなたにもお楽しみいただける舞台です。
物語と歌と詩の交錯する、小さくて強いひとときを、ぜひ体験してください。